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あの頃から僕は頑張らなくなった.いや,頑張れなくなった.
ここではその引き金となった経験について語ろうと思う.
僕の人生と価値観を根底からぶち壊した,大学院で鬱っぽくなった経験談だ.
(“鬱っぽく”と表現したのは,病院で診断を受けた訳ではないので鬱病であると断言できないためです.糞ダサいタイトルですね.)
ということで今回は大学院時代の憂鬱過ぎた日々について紹介しようと思います.
研究に疲れたとき「自分と似たダメ大学院生が世の中にたくさん居るはず.」「大学院で病むのは普通だ.自分は悪くない.」と思いたくなりませんか?
そう思いたくて鬱気味な大学院生と思わしき個人ブログをネットサーフィンしまくっていた時期がありました.
しかし,色んな面で自分と似たものを感じる大学院生を見つけることができず,ずっと同士に向けて自分のもがき苦しんだ過去を残したいと思っていました.
そのため修論を乗り越えて卒業が確定した今,数少ない同志に向けて当時の無様な様子を書き残そうと思いました.(このブログがそんなにアクセスされるようになるか知らんけど)
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鬱っぽくなる直前のアクティブな僕
僕は大学院は学部時代と同じ大学に通っていたため,大学院では学部4年からずっと同じ研究室に居ました.
研究室は毎年ジャーナル論文が多く書かれていて,修士の学生は全員最低1回は国際学会で発表するというかなりアクティブな所でした.
そのため,鬱っぽくなる直前の僕も,以下のように今では信じられないくらい頑張っていました.
- 大学院の卒業に必要な単位を,修論関連以外は全て修士1年前期で取った.
- 卒業生の僅かにやり残した共同研究を5月までに完結させた.
- 英語は得意じゃなかったのに,修士1年の6月に国際ジャーナル論文を書き,7月に国際学会で発表
- 学会発表中にジャーナル論文のレビューが来て,学会終了後に1週間で論文修正とレスポンスレター作成をした
- 冬に実施の国内学会に申し込むため,国際学会終了後に急いで新しい結果を2週間で用意
- 月一回の進捗報告もサボらず全て英語で発表
- 自分が提案した研究を行うために新しい測定機器の選定とデモを実施
これが如何に忙しいか,経験していなくても何となく分かりますよね?
日本語の論文を書くのすら辛かったのにガチガチにお堅い論文を英語で書いたり,そもそも2週間で学会用の論文を作ったり,誰も知らない装置を調べてメーカーに電話してやり取りしたり…
もしあなたが同じくらい,あるいはそれ以上に頑張っているのなら,この記事を読んでいる今だってデータ整理やプレゼン作り,論文執筆をしている最中なのでしょう?
凄いよ.あなた.
だって僕は続かなかったから.
そんな元気な研究室の奴隷だった僕にすぐに変化が訪れます.
始まりは2019年8月後半の猛暑日.猛暑の中を歩いているはずなのに暑さを感じませんでした.
頭から何だか気持ち悪い汗がたくさん流れて,だんだん音も聞きづらくなって,気づいたら泣きながら歩いていました.
なのに謎の使命感からとりあえずキャンパスまで行き,トイレで顔を洗って図書棟で休みました.
休んで冷静になったらようやく自分の異常さに気付いてその日は帰りました.
そして次の日から何もする気が起きなくなって,突如としてネットカフェに引きこもるクズ大学院生になりました.
鬱っぽくなってからの状況
- 大学に行くのが億劫で、よく途中下車してマンガ喫茶・ネットカフェに逃げていた.
- 何もかも面倒くさくなって,大好きだったゲームすら面倒になった.
- 頻繁に理由もなく泣きたくなっていた.(泣くのが下手なのか例の猛暑日以降は1度も実際には泣けなかった)
- バイトを減らしたのにネカフェとコーヒーに金を使い過ぎて金欠になった
- 金欠だし何も楽しくないしコミュ障悪化して,海岸で海を眺めてばかりいた
- 家ではスマホばかり見ていて,夜は寝れないし朝は起きれなかった.
- 研究室に行っても集中力が無くなって15分くらいで作業の手が止まるようになった.「やる気出ないから場所変える」と言って,散歩だけして早期帰宅するようになった.
- 「今は実験方法の改善中で,今日はお試し実験だから…」などと理由をつけて実験が中途半端でも早期帰宅
- 早期帰宅する癖に,大学には午後から登場.
- 教授が怖くて進捗報告では,進捗と予定を大袈裟に装ってしまったことで皆に自分の研究が順調だとずっと思われていた.
- 無駄にプライドが高くて周りにSOSを出し切れなかった.(病む前から眠いアピールしてたせいで,鬱っぽくなった後の疲れたアピールが普通に受け取られた)
- 何をしても「こんなことをしている場合じゃない」と考えてしまって,休日もダラダラと研究に関わることしかできなかった.例え遊んだとしても満たされず,罪悪感しか残らなくてリフレッシュなんてできなかった.
普段の進捗報告で事実を大袈裟に伝えるスキルだけは身についていたのと,就活は入りやすそうな所を選んだので苦労しませんでした.それだけが救い.
しかし,いつも中途半端に実験を終わらせてしまうために,まとまった結果がなく修士論文が書けるビジョンが全然見えていませんでした.
そのせいでさらに自己嫌悪が進んで鬱っぽさが加速しました.
鬱っぽい状態を一時的に抜け出した話
そんな僕に転機が訪れます.コロナウイルスの流行によって2020年4月から大学への立ち入りが制限されて実験ができなくなりました.その時の状況を整理しますと
- 理系大学院生で学校推薦使って順調に進んだので実質の就活が3月で終わった
- 論文を書けるほどの結果が当然なかったので,論文を書けない
- 大学に入れないので実験ができない.シミュレーションできるようなテーマではないのでシミュレーションもできない
- バイトも4月は来るなと言われた
そう.合法的に4月から文献調査以外やることが無くなりました.
「研究が進まないのが自分のせいじゃない」「進捗報告以外に締切のあるものが無い」「嫌いな実験をしなくて良い」という神展開が訪れました.
久々に罪悪感を感じずに完全に研究のことを忘れてゲームとアニメを堪能しまくる日々を過ごすことができました.
そして心が回復することによって行動力を取り戻し,掃除と筋トレという今思うと精神面に良さそうな新しい趣味を手に入れて完全復活を遂げました!
まぁ後日書きますけど,その後また張り切り過ぎて修論執筆中に病みました(笑)
今になって思うこと
- やっぱり理系大学院は環境が特殊です.病むのが普通だと思います.元気な人たちは良くも悪くも異常な人か超優秀か超ラッキーな人だと思います.
- 周りに助けを求めるのが下手な人が鬱になると思います.性格の悪い人も世の中にたくさん居るのは事実ですが,世の中には鬱になったあなたを見て助けたいと思う人もたくさんいます.ちょっとでも元気になったら周りに助けを求めてみてください.
- 完璧主義は好きなことをしているときだけにしましょう.研究のプレゼンや文書のクオリティが低くても,本当に優秀な人は「あなたの思考力が足りない」とは思わず,「あなたの時間・体力の管理が上手くいっていない」と理解してくれます.
- 人の心は急に壊れます.意欲に溢れている人ほど長期的な視点で最大限のパフォーマンスが発揮できるように,休息について真剣に考えるべきだと思います.あなたはフルマラソンで全力疾走しますか?
- 一度心が壊れてしまうと元には戻りません.普通の生活を送れる状態になったとしても物の見方や考え方はもう戻りません.挫折とか壁にぶつかるのと同じと思ってはダメです.一定ラインを超えると強さなんか手に入らずむしろドンドン脆く壊れやすくなります.
長くまとまりの無い文章になってしまいましたが以上です.
強くなくていい.生きて幸せを手に入れて.